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APMに注目が集まる業界

CloudTriageサービスのご紹介をする際はAPM(Application Performance Management)が話題に上る機会が多いのですが、アプリケーションパフォーマンスに対する認識は企業によってまちまちです。そんな中、アプリケーションパフォーマンスマネジメントに対する関心の高さが顕著な業界があることが見えてきました。

特に関心が高かったのはオンラインゲーム業界やASP、SaaS業界で、いち早くアプリケーションパフォーマンスの改善に取り組んでいる企業が多いことが分かりました。また、アプリケーション開発を主な事業としている企業でも品質向上の一環としてAPMへの関心が強いようです。

そこにはある共通点が見えてきます。それは、アプリケーションパフォーマンスを向上させることが、他社との重要な差別化要素になるという点です。

APMに注目する企業の共通点

オンラインショップやオンラインゲーム、ASPやSaaSなどは、アプリケーションのパフォーマンスそのものがビジネスの成果に直結していることをイメージしやすいでしょう。似たようなサービスや価格であれば、ユーザーが快適に動作するサイトに流れていくのは、ごく自然な成り行きです。特に競合製品や代替サービスが多い市場では、この傾向が強く表れます。こうしたサービスでは、低価格や多機能であるということ以上にどれだけ高速に、あるいは快適に使えるか、といったポイントでもエンドユーザーに比較されることが既に当たり前となっています。

満足いくユーザーエクスペリエンスを達成できずに顧客を失ってしまうという事態を避けるために、オンラインゲーム業界やASP、SaaS業界の各企業はAPMにいち早く取り組み、積極的にパフォーマンスを改善して他社との差別化を図っているのです。

障害管理からパフォーマンス管理へ

ASPやSaaS、オンラインショップ、オンラインゲーム いずれもパブリッククラウドを積極的に利用している業界です。パブリッククラウドは仮想基盤上のリソース(CPU、メモリ等のリソース、ディスクサイズ、ネットワーク帯域、コネクション数 etc..)を複数のユーザーが共有して利用する仕組みです。しかし利用者は、リソースが誰とどのように共有されどのような用途に使われているか、基盤自体の動作に問題はないか、などといった、オンプレミスであれば把握できていたはずの情報を得ることができません。

「クラウド化されたことで見えなくなってしまった部分」に遅延の要因が潜んでいる可能性があります。前述のように、“遅い”とお客様は去ってしまいます。

こうした背景もあり、ASPやSaaS、オンラインショップ、オンラインゲームなど、アプリケーションパフォーマンスを重視する企業では、エンドツーエンドで「実際にユーザーが、期待するパフォーマンスを享受できているか」という体感品質に基づいたパフォーマンス管理が必要とされています。

パフォーマンス管理に求められること

アプリケーションパフォーマンスを管理するためには、まずこの2点が可能なことが大前提となります。

  • エンドユーザーの視点でアプリケーションパフォーマンスを計測できること
  • アプリケーションパフォーマンスのボトルネックの原因を分析・特定できること

この2点以外に、パフォーマンスに敏感なサービスを提供する企業にとってどんな機能が必要か。TechTonic社の創業者で、アナリストの ガブリエル・レービ氏は、新時代のアプリケーションパフォーマンスマネジメントシステムは、以下のような要求に応えることが重要と述べています。

Easy-to-install easy-to-use

速やかにインストールを完了し、自動的に動作しなければならない。

Fully-integrated views across multiple platforms

いつもアプリケーションに問題があるとは限らない。オンプレ、クラウド関係なくサービス全体を俯瞰し、サーバ、ネットワーク機器、セキュリティ機器、仮想基盤など、アプリケーション以外の場所からもボトルネックを発見できなければならない。

Granularity of data

パフォーマンス測定で秒単位の監視を行いたいという企業のニーズに応えるために、高い頻度のポーリングが実行できなければならない。

Traps, alarms and alerts management

リアルタイムの監視情報からパフォーマンスのベースラインを作成し、いつもの値を知ることでその値とのギャップから能動的にパフォーマンス低下の予兆をとらえ、遅延を未然に防がなければならない。また、システムアラートを統合的に管理し、レスポンス遅延の根本原因を明らかにしなければならない。

管理者、運用者の視点としてはアプリケーションパフォーマンスを管理していく上でどれも重要です。しかし、アプリケーションパフォーマンスを改善するためには、これでも十分ではありません。我々はさらに次の2点が必要と考えます。

体感品質

パフォーマンス改善は全て、顧客に快適にサービスを利用してもらうために行います。パフォーマンス低下をユーザー視点の把握するのも重要ですが、パフォーマンス改善の効果も実際に使用するユーザーの視点で評価されるべきです。

コミュニケーション

アプリケーションパフォーマンス改善において開発部門との協力は欠かせません。こうした改善は部門を越えて継続的に何度も繰り返されます。その際に重要なのは部門間のコミュニケーションです。開発部門の協力を仰ぐためには開発部門が動くに足るだけの説得力のある情報提示が必要です。APMが、実際の改善アクションに繋がる網羅的で具体性のある情報を提供することで、部門間のコミュニケーションを円滑にすることが可能となります。


仮に運用がアプリケーションパフォーマンスの低下を発見したとしても、ボトルネックはアプリケーションにあるとは限りません。開発部門の立場としては、テスト環境の正常動作を確認しているのですから、アプリケーションの改修を求める運用部門に対してまずはインフラの調査を求めるでしょう。

こうしたコミュニケーションの祖語は頻繁に起こりえます。エンドツーエンドのあらゆるインフラの中から原因を切り分け、アプリケーションに問題があることをデータで最初から示す事ができれば、責任の所在をめぐる不毛な議論も避けることができます。

こうして得られたパフォーマンスの情報を整理して、開発部門との共通認識を形成し、サービスが改善につなげるための手段となることが、新時代のアプリケーションパフォーマンスマネジメントとって必要なことです。

まとめ

ASPやSaaS、オンラインショップ、オンラインゲームなど、クラウド上でサービスを展開する企業では、アプリケーションパフォーマンスに対する意識が高く、いち早くAPMに取り組んでいます。

その目的はユーザーに快適なサービスを提供することにあります。それにはパフォーマンスの監視だけでは意味がなく、開発部門と協力して改善のためのアクションを起こし、ユーザーエクスペリエンスを改善しなければなりません。

その手段として、ユーザー視点でパフォーマンスボトルネックを特定し、改善のために何をすべきか明確にし、次のアクションに繋げ、改善の効果をユーザー視点で評価できることが、APMに求められています。

 

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