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SAPを支えるITインフラの仮想化はまだ少数で、ある調査では2010年の段階でSAPの仮想化を行った企業は18%のみという結果が出されました。仮想化を敬遠する一番の理由は「パフォーマンス低下への懸念」。SAPをはじめとするERPシステムは、他のシステムと比較してスローダウンが与えるビジネスインパクトが大きいために、仮想化導入が困難となっています。

しかし、仮想化技術の持つ運用の柔軟性はSAPのようなERPシステムにおいてもメリットが大きく、加えて仮想化技術の目覚ましい発展を考えると、今後SAPの仮想化も避けられなくなるでしょう。運用担当としては、SAP仮想化を避けるのではなく、今後の仮想化をにらんで今のうちからパフォーマンス対策を講じていくのが賢明です。

そこで本稿では、パフォーマンス対策のひとつであるSAPのパフォーマンス監視について詳しく見ていきたいと思います。

SAPのパフォーマンス監視はなぜ難しい?仮想化によりさらに困難に

もともとSAPのパフォーマンス監視は難しいといわれていますが、なぜなのでしょうか。SAPシステムの進化とユーザーの要望により、現在のSAPシステムは以前よりも複雑なレイヤー構造を持っています。具体的にはWebベースのアクセスを実現するためのJavaベースフロントエンドの追加や、より高いDB性能を実現するためSAP HANAアーキテクチャが利用されることもあります。このようにSAPシステム自体がより高度で複雑になっているために、SAPのどのレイヤーで遅延が発生しているのかが見えづらくなっています。

SAPインフラの仮想化を実装すると、事態はより難しくなります。仮想化技術自体が複雑なアーキテクチャを用いており、SAPの特性も相まってスローダウンの問題切り分けはさらに困難になるでしょう。そのため、システム全体のパフォーマンス監視の設計を今まで以上にしっかり行う必要が出てきます。

SAPパフォーマンス監視の具体的方法 監視ツールの導入の是非

では、どのようにしてSAPパフォーマンス監視を行えばいいでしょうか。前述の通り、SAPも仮想化技術も複雑なレイヤー構造を持っているために、これらのレイヤーすべてを統合的に監視できることが重要です。それぞれのレイヤーを別々のツールで監視すると、スローダウン発生時に各ツールの情報を集めるだけで膨大な時間が過ぎていき、結果としてビジネスに大きなインパクトを与えかねません。

読者の方のなかには、SAP標準機能であるCCMSコンソールを利用されている方も多いのではないでしょうか。しかし、CCMSコンソールでチェックできるのはSAPレイヤーとVMwareのみで、他のレイヤーは対象外となっています。また、SAPソリューションマネージャーもSAP監視としてよく用いられる機能です。CCMSコンソールよりも統合されたモニターが可能で、データベースレイヤーの監視には非常に便利ですが、Javaレイヤーは限定的な監視しか行えません。これらのツールは仮想化に向けた監視ツールとしては適しているとはいい難いでしょう。

そのため、来るべき日に向けて専用の監視ツール導入を検討してみてはいかがでしょうか。その際は、各レイヤー(ネットワーク、ストレージ、仮想インフラ、SAP ABAPレイヤー、Javaレイヤー、データベース、Webフロントエンドなど)すべてが一元的に管理でき、また、監視画面もすべての要素が見やすく瞬時に情報が取得できるかどうか、という観点でツール選定することがポイントです。

来るべきSAP仮想化に向けて

SAP仮想化はまだまだ導入が進んでいませんが、これからを考えると近い将来は導入が避けられない技術です。仮想化に際して問題になりやすいパフォーマンス監視を、今からしっかりと行うことが重要です。パフォーマンス監視は、SAP標準ツールでは対応しきれない部分が多いので、専用の監視ツールの導入が望ましいでしょう。

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